続・お金の流れについての話。メンバーズの仙台支援の話。点から線へ。
前の記事でこんなことを書きました。
お金を払うということを一時的な消費としてではなく、地域経済への投資と考えると思考が少し変わってくる。 - keep Stepping
ぐだぐだ書きましたが、要するに「消費」は消費でなく、次のお金の担い手に使ってもらいたいと思う「投票」に近いんじゃないかなと。こっちもお金を使う訳ですから選ぶのもそりゃ真剣です。
消費は投票、じゃあ実際の選挙投票はいつ消費しているのか?
でも考えてみれば普通の選挙も、僕らは税金を払ってる訳だし、市町村長選挙や市議会議員だってその住民税を払ってる訳だし、もっと真剣に選んでもいいはずなのに投票率が低い。政治は明確な見返りがわからないからなのかな。。でも所謂「バラマキ」みたいな見返りは要らないですけどね。。ちゃんと国が、市町村がよりよく「発展」していくためのお金なので。。バラまくなら最初からそんなに取るなという話ですよね。。w
えっと、そんな話を書きたかった訳ではなくて、もう一つ大事なお金の流れの話について思い出したので書き留めておきます。
メンバーズの仙台支援の話。 点ではなく線での支援。
僕はこの2014年3月までメンバーズという企業のWebマーケティングや運用を支援する企業にいました。メンバーズでは2011年の震災後に東北支援の一環として仙台オフィスを立ち上げました。100万円、1,000万円と言ったお金の寄付もできましたが、あえて「雇用」という方法を取りました。
なぜか。
義援金はあくまでも一時的な支援。でも実際に必要なのは中長期的な支援。と言うことで「雇用」という方法を選択したと社長は説明してくれました。
結局支援物資や資金が充実したところでそれはあくまでも「マイナスをゼロにする、元通りにするための支援」なんだなぁと。ビジネスを立ち上げたり、雇用をその地に見いだすことで人が動き、モノが動き、お金が動く。そのサイクルを大きくしていく「ゼロからプラスへ、次のステップへ動かす支援」が何よりの復興に繋がるんだなぁと。単なるお金の支援だけでは人は救えないんだなぁということを学びました。
今まで通りの普通の仕事をして、今まで通りに利益をあげているのに、それが復興支援につながるという共創・共存共栄なシステムはわかりやすくもあり、経営陣の判断に素直に賛同できるものでした。
もちろん一時的な義援金ではなく、毎月100万円、500万円をあげるという方法も出来たと思いますが、社員側からは何でそこまで利益削ってやる必要があるんだという反発も少なからずでていたことでしょう。
メンバーズで生み出した仕事の一部が仙台に行くことで、仙台地域に雇用の需要を創出し、人を雇い、給料を支払い、その給料が仙台の地で使われていく。点ではなく線の支援をすることで、最終的には面的な広がりになっていく。前の記事に書いたAP Bankの考え方と同様に、今まで無かった仙台へのお金のルートがこうやって出来て改めてお金の流れ方は意図する方向にコントロールできるんだなあと感じました。
普段と変わらず仕事をしているのに、それが支援につながるというのはやっていて気持ちがいい。まぁ僕が作ってきた案件はコンサルや構築案件が多かったので運用部隊の仙台に仕事を渡すことができず終いでしたが。。泣 僕ができたのは、案件でなんとか利益作ってそれがボーナス資源になって、、、っていう貢献の仕方くらいでしょうか。雀の涙程度でしたが。汗
お金の流れはどこまで意識することが出来るか?
とまぁこんなお金の流れを実感している一方で普段の消費はあまりにもなぁなぁになっていると感じていました。安いから、そこにあったから、程度の安易な決断もありますし。。
知らず知らずの内に、何かを買うことでとある企業にお金が巡り巡って戦争が起きてるかもしれません。もっとそのフローに注意を払うべきなのですが、これだけトレーサビリティシステムや物流、会計システムと言ったものが確立されているのにも関わらず、お金の流れは不明瞭です。政治家のように。笑
もっとお金の流れがオープンになって、どの地域に、どの市町村にお金が流れているのかを可視化すると、「正しい消費」ができるんじゃないかなぁと。いや別に今までが間違いというわけではないんですが、無意識なことが多かったと思うんですよね。「もっと納得のいく消費」ができるんじゃないかと。買った時の満足度という抽象的な尺度でしか計れないんですが、プロダクトやサービスを通して生産地や地域と繋がるっていう感覚は得られるんだと思います。
これって新たなブランド体験なんですよね。
地産地消、なんて言葉もありますがまさにブランド体験。
でも一回一回消費についてどの地域にお金が流れているのかを考えるのは非常に大変で面倒で。ただでさえ自動化が進んでいる世の中で、また一つ考えを増やすのは受け入れ難いことかもしれません。
でも、月に一回そうやって振り返って見るのはアリなのかもしれません。
(さてこれをどうやって実現しようか。わかりやすいのはBtoC。でも実際見えにくいのはBtoB。最初の一歩をどこに置くか・・・悶々)