keep Stepping

Lean Startupやgrowth hackを学びながら、サンフランシスコで仕事をゲットするか作り出す事を目標に日々奮闘中。

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「予感づくり」の因数分解。KANOモデル。感情とロジックアプローチ。個人的反省。途中でギブアップ。

以前、街作りをテーマにWEBマーケティングの仕事をしてきた中で一つのキーワードに出会いました。

 

「予感をデザインする」

 

聞いたときはスッと自分の中に入ったし、これだ、とも思いました。

街作りという題材ではなく、もう少し広くて、何に対しても共通して言える言葉なんだと思います。アプリのダウンロードや何かを購入する時も、そのサービスやプロダクトに対して予感や期待が無いと勿論ダメだと思います。そしてリアルな場に足を運ぶということはそれよりももっと難しいことなのかもしれない。まだ未踏の地へと足を運ぶのはとてつもなくハードルの高いことだと思うので。だから尚更「予感」を大切にしないといけないんですね。

 

簡単にO2Oとかオムニチャネルと言ったり、プロモーションやんなきゃって言ったり、流行り言葉や他の施策の踏襲になったりすることも多く、まだ自分の中で確たるものが無かった気がします。反省。フレームワークばかり気にしていたような。まぁこのポストも一つのフレームワークになっちゃってるんですが。

  

3段階のプロセスに分けて、ウェブが「予感づくり」に対してできることを考えてみました。リアルの場を意識しつつですが、今回はイベントやミートアップも一つの「プロダクト」として捉えて、そのプロダクトの予感づくりのフレームワークとしてまとめてみようと思います。(改めて考えるとマーケティングの基礎っちゃ基礎なんですけどね。当たり前のことを個人的に改めて整理してるだけです。)

 

  1. 未体験者が初参加するまで
  2. 参加中
  3. 参加後

 

 1.未体験者が初参加するまで

予感、つまりその場所やプロダクトに対する「期待値」が高ければ高いほど、人は動きやすくなります。期待値を高めることをウェブはできます。

(ここで言うウェブというのは単なるウェブサイトではなく、アプリとかなんかオンラインに繋がってるもの、というくらいの概念で考えています)

とにかく、未経験のことをさせるには大きなハードルがあります。それを体験した後はどのような感じになるのか、想像は想像でしかありません。でも人は期待で動くんです。

だから他の評判が気になる。嘘はいけないですけど。嘘をついて、期待値を上げすぎても評判が悪くなるだけですし、なにより満足度が下がります。いわゆるガッカリになっちゃうんです。

 

ここで言いたいことは、ユーザに提供しているのは「情報」ではなく「確信と期待」だということなんです。

 

左脳的アプローチ:ロジカルに確信をさせるように訴える

  • 体験した人の総合的評価は高いか
  • 危険はないか
  • 信頼できるか
  • 損しないか
  • 面倒くさくないか
  • 操作は簡単か
  • こんなことに興味がある人にはこれがオススメ
  • こんなイベントに参加している人にはこれがオススメ
  • あの商品・サービスに関連性があります

実は世間的な評判って感情面ではなく非常に論理的なアプローチなんだと考えています。自分を納得させるのに、客観的なデータとして役立つからです。 だからここに関しては量的データや安心や保証を証明する何かがあると良い分野ですね。判断基準となる情報をきちんと用意して、参加することに対して損が無いこと、自分に関係あることを確信させるんです。
ただし、この部分だけにフォーカスして改善を加えても満足度は高まらない。つまり、KANOモデルのいわゆる「当たり前品質」ではないかと。


マーケティングのキーコンセプト|毎日新聞社広告局

 

ざっくり説明すると、品質には大きく5つの種類があるが、その中で注目するのは「当たり前品質」「魅力的品質」の2つ。問題点を改善しても「当たり前」とされて、満足度があがるわけではない、という曲線がある。逆に、その問題点を解決すれば顧客の満足度が高まる曲線がある。これが「魅力的品質」です。

昔メンバーズでそれに近い話を聞きました。給料があがっても社員の満足度は高まらず、ビジョンへの共感や透明性などが高まると満足度が高くなる、という話。給料が上がるのは「当たり前」なんですよね。社員にとっては。上がらないなんてありえない。

 

でも、この理論を聞いて妙になるほど納得、と感じてしまいました。僕がいつも何か提案する時にはこの「当たり前品質」ばっかり考えてるなぁとちょっと反省。

レコメンドの品質を高めてもサービスの魅力が高くなるわけではなく、それはそれで当たり前なんだなぁと。Web標準とかソーシャルボタン設置みたいなのも「当たり前品質」の方で、当たり前のことを当たり前にやりましょう、という提案が多かった気がします。

 

ちょっと脱線しました。

 

逆に、「魅力的品質」となるのがこの部分。

右脳的アプローチ:感情に期待を訴える 

  • きつい思いをしたものが無くなるよ。和らぐよ。
  • 友達も行くよ。来てるよ。
  • 成長できるよ
  • 新体験できるよ
  • とにかくめっちゃ楽しいよ
  • それすぐにできるよ
  • 儲かるよ、出会えるよ

なんか面白そうな匂いがする、という感情を作るのがこの分野の要素じゃないかと。

直感をとにかく刺激するのがここの要素です。量的なデータを必要としない部分とでも言いましょうか。僕が苦手とする分野だったりします。

一方で、カヤックさんやLIGさん、バーグハンバーグバーグさんが得意と言うか、巧い分野ですよね。みんなの期待を良い意味で裏切ったり、遥かに超えたり。そのギャップづくりのプロじゃないかと思います。

普通の人がいだく感情と、その一歩先にある「すげー!」と「これはダメだろ」の境界線を常に探っている人たち。「これはダメだろwww」みたいなギリギリを付くのがホントに巧い。そしてそんなアイデアを実行できちゃう人たち。

 

僕の思考回路の中には、自然と

 

「いや、ホントにこれ行っても損しないか?大丈夫?
 金出す価値ある?行く価値ある?」

 

という様々な不安が重なり、未体験ゾーンの手前で躊躇することが多々あります。そんな自分を納得させるためのものが先ほどの左脳的アプローチのロジカルで客観的なデータになると思います。だからどっちのアプローチを全面に押し出すのかはサービスやプロダクトのストーリーやコンセプト次第ですし、非常にそのバランスを取るのは大事だと言えますが、期待・予感を作っているのは感情に訴える部分であるということなんです。

ついつい理詰めで考えがちなので、この部分は改めて大切にしようと思います。

 

2.参加中

これはプロダクトに触れる所から、その体験を終えるまでの一連の流れの中です。

 

すでに、参加している時点で「予感づくり」は成功していると言っても過言ではないと思います。だから後はその期待を崩さないように、

  • 嘘はつかない
  • Wow体験
  • がっかりポイントをきちんと測定してリーンUXで改善する

という事になるかと思います。

嘘は付かないというのは当たり前で。笑
煽りに煽って実はそこまで大したことないんです、ってのは完全な誇大広告、詐欺になってしまいますので。

 

そして最近改めて認識させられたのが「WOW体験」。

今まではザッポスのマーケティング本読んでて聞いたことあったなぁ、くらいの言葉でした。が、1ヶ月ほど前にサンフランシスコで英語学習アプリを作ってる人に出会って、今そのプロジェクトに参加しています。そのメンバーのイギリス人・アメリカ人が今フォーカスして模索しているのがこの「WOW体験」でした。

 

「Oh! it's cool」という評価をどうやってファーストインプレッションで掴むか。

 

初遭遇して、これまで期待して想像していたものを答え合わせするようなものですから、ファーストインプレッションというのは確かに大事だなと。「使えばわかる」というスタンスではなかなか使う側に取ってはテンション上がんないですよね。勘違いしたのか、へそを曲げてしまったのかわからないけど、テンション低くなっちゃった人に「話せばわかる」と言っても耳を傾けてくれない感じ。

トップページだけで掴む、とまではいかずとも、最初の3分でいかにこのプロダクトのコンセプトに触れて、共感してもらえるかどうかなんじゃないかなと。最初の3分というのは感覚値なんで、5分なのか1分なのかはわかりませんが。。。イベントなら最初の10分で参加者の心をいかに掴むか。とか。

 

「がっかりポイント」というのはすごいフワフワした表現なんですが、期待値とのプラスマイナスを測れるようにしておくと良いのかもしれない、と思った次第です。マイナスポイントは期待に応えられていないところ。そこにUXの改善ポイントがあるんだろうなぁと。このポイントを改善できるとさっきのKANOモデルの「魅力的品質」が上がるのかと。

 

離脱したから、このページがだめだった、

 

みたいなロジカルで血の通ってないアプローチはもう機能しなくて、なんかもっと芯を食った感情面での強く深いインサイトでないと本当の魅力的品質の向上、がっかりさせないポイントが掴めないのかも、、、と改めて反省。ってかこれホントに難しい。。

 

がっかり計測ポイント例(どこに期待しているのか)
  • 関係構築:どんな人が集まっているのか。期待する人と出会えるのか。
  • 関係性の継続:関係を深められるか。
  • 貢献・寄与:参加することによって自分以外への他者やグループ、社会に影響が生まれるか。
  • 競争・勝利:自分がどの位置にいるのか。どうすれば上にいけるのか。上に行った時自慢できるか。
  • 成長・結果:参加後の自分にどんな期待が持てるか。
  • 感情の充足:興奮・感動・感激・爆笑。喜怒哀楽、心が震えるか
  • 利便性効果:楽になるのか。便利になるのか。

 

なんかこういうのまとめてくと、結局マズローのなんちゃらに落ち着きそうな気もしますけど。ちょっとソーシャルっ気が強いですがなんかこういうポイントをくすぐって、でちゃんと実現させてあげるのが大事なんだなぁと。こういうアプローチでちゃんと考えたこと無かったので、常にアップデートしながらこれは頭に叩き込んでおこうと思います。

期待が満足に変わるフェーズですね。

 

「当たり前品質」の部分はいわゆるUI部分になってくると思うのですが、それはつまり階段/障壁/距離をいかに感じさせないか、ということかと。

  • イラっとさせない。
  • 不安にさせない。
  • 不要なことをさせない。
  • 退屈にさせない。
  • 混乱させない。迷わせない。

 そのプロダクトの世界観、コンセプト、コンテンツに没入・感情移入してもらうためにそれ以外の余計な感情を引き起こすトリガーを排除していくことかと思います。変なでっぱりを研磨してスムースにする作業。

 

だから「滞在時間が短い・長い」は意味が無くて、夢中になってるか、迷っていないか、を判断できる計測方法が必要なんだろうな。

 

3.参加後

予想以上に話が長くなっております。汗

そして参加後の話。ここは二度目、三度目と次の「予感を作る」フェーズ。だから基本的には「もう一回使ってみたい」と思わせれば勝ち。でもそれが上手くはいかない。

  • 魅力的品質」をキープする=常に前回の体験を少し上回る=マンネリ防止
  • 前回を上回る体験を生み出す方法を個人で解決する仕掛け=ソーシャル
  • 積み重ねを可視化する。=ゲーミフィケーション

 

・・・ダメだ。まだこの辺ぐちゃっとしてます。 

ここで言いたいのは、「マンネリさせず、いつも前回の体験を少し上回る」と言うこと。

これはゲーミフィケーションのテクニックでもありますが、レベルを積み重ねることで自分のやれることが増えたり、人がいればいるほど盛り上がる要素を作っておく、友達いると楽しい、という二回目以降のユーザに対する配慮が必要。

 

つまりこのフェーズでの「予感づくり」というのは、予感が実現して満足し、「今度またその満足をもう一度、今度はもっと上手くやって味わいたい」というAddict状態にさせること。ん、そうかこれもGrowth Hackか。リテンションや継続率に関わる部分。

 

二回目は一回目よりちょっと難しいんだけど楽しい、一回目できたことはサラッとできるように、 というように良いレベル感を作って提供することが必要なんだろうなと。

WOW体験をしているので、プロダクトの基本的な所は理解しつつ、次はさらに世界に没入して行くためのトリガーが必要なんだろうなと。ドラクエ3でいうレーベの村とかロマリア。

 

 

 

・・・ダメだ。

 

ずーっと書いてて深夜に突入し思考がまとまらなくなってきた。。 パルスのファルシのルシが攻めてきてパルスにパージ状態。

 

最初はこんなこと書いてるハズじゃなかったんですけどね。。

 

 

 

無理矢理まとめます。

  • 「予感づくり」を体験前・中・後で分けて考えてみる。
  • KANOモデルによると「魅力的品質」と「当たり前品質」がある。
  • 魅力的品質」は感情に訴える部分。ロジカルにアプローチできるのは「当たり前品質」。

 

参加前

  • 予感の80%がここでワークする。きっと。
  • ロジカル・感情アプローチ、両方必要。「魅力的品質=期待(Hook)」と「当たり前品質=確信」。

 

参加中

  • WOW体験作る。掴みで掴む。
  • がっかりポイントをきっちり計測してLEAN UX回す。
  • ちゃんと期待を満足に変える。
  • 余計なことに時間・労力を取られないようにササクレ、凸凹を除去する。

 

参加後

  • 継続したゆるやかな満足度の向上を目指す。中毒状態がどういう状態かを考える。
  • セカンドHOOKを作る。

 

 

こんな感じです。今のところ。もう少しビシっとまとめてみたかったけど、ダメでした。いやでも結局何かの教科書みたいになってくと思うんですけどね。自分の言葉で書いていかないと、ホントに腹に落ちて行かないので、このブログはホントに誰のためでもなく自分のため。

 

しかし、今サンフランシスコで参加している英語学習アプリのプロジェクトは色んな気づきを僕に与えてくれます。ランゲージエクスチェンジ、英語を「使う」という課題解決に向けたアプリ開発をスタートをしたいと今考えています。ただいきなりそれを開発するのではなく、アプリ開発の手伝いをしながら、この「英語を使う」ことに関する課題に対するアプローチをもう少し深堀りして行きたいと思います。アイデアがまだクールじゃないので。。WOW体験。大事ですね。

 

ぶは、ホントダメだ。もう今回はこれで終わり。オーバーヒートです。。