英語学習の根本的な質と、今掴みかけているヒントについて。Language Exchangeについての個人的整理。
サンフランシスコに来て半年が経ちました。日常会話的なものにようやく慣れた感があります。6週間くらいルームメイトもいなかったのが遂に今日現れました。夢のプライベートルームも今日で終わりorz
今はウィンターバケーションということで3週間のバケーション中でございます。特にノープランだし、見に行くものも無いので引きこもっていますが。汗
久々のブログを書こうと思ったのは、これまでの海外生活を振り返って気づいたものがあったからでした。特にLanguage Exchangeの価値についてです。
海外で日本語環境。
これだけインターネットが発達した今、FacebookやInstagram、Lineなど様々なコミュニケーションツールがあるし、ニュースだってほぼリアルタイムで出てくる。モノを買いに行ったりレストランで注文するとかは英語なんてほぼ必要ない。単語しゃべるだけだし、最悪指差せば事足りる。エンタメはどちらかと言うと日本の方が面白い。特にお笑いは世界でも飛び抜けてるんじゃないかと思うくらい。日本にも来たことあるアメリカ人もそんなこと行ってましたw
まぁ一人で生きて行く分には本当に英語なんて必要ないな、と感じることは多々あったということです。日本スバラシイネ。
それでも必要な英語。
それでもなぜ英語を学びたいかというと、もっと可能性が広がるからとかそんな漠然としたものだけではなくて、ベイエリアやシリコンバレーの人たちとちゃんと話をしたかったから。いろんなミートアップやセミナーに行って、7〜8割ちゃんと聞けるようになったし自己紹介くらいはスムースに話せるようにはなったんだけど、その2〜3割を聞き落としているっていうのが実は致命的で。日本語の場面でもちゃんと聞いててもわからないことってあると思うんですけど、そんな状況の中でさらに聞き取れていないことがあってしかも聞き返しができない状況だと、本当に置いてけぼりになる。
留学生同士の会話は全然気楽なのにネイティブ同士の会話はやはりなんか違和感を感じる。習ったことのある中でのコミュニケーションとネイティブとの差が「越えられない壁」として見えてきた感じもします。この壁を通り超えると多分「英語使えるぜ感」が出せるんだろうなと。今は休みなので、勉強法としてはとにかくNetFlixでリスニングとボキャブラリーを増やしているのです。映画の中にはたくさん「教科書には無い自然な英語」があるので。
「練習のための練習」と「使うための練習」
語学学校に行ってるんだから、別にそれ以上勉強しなくてもいいのでは、ということを当初考えていたのですが(多分大半の人が考えていること)、学校はあくまでも「勉強」するところで「使う」ところじゃないんですよね。
アメリカ人の英語学習アプリを開発しているエンジニアと話す機会があって、改めて考えさせられたことなんですが、
「勉強」→「テスト」
で終わっちゃうのが日本だなぁと。日本はよく「TOEIC800点取ること」とか「英語のテストで100点取ること」を目標とする人が多くて。そのために勉強する、みたいなのって本当に無価値というか無意味というか。これは練習のための練習という感じで、どこにも使う場所が存在しない。だから英語しゃべれない人が多いんだと思います。
語学学校の中は、授業内でプレゼンをしたり何かを想定して会話をしたり英作文やエッセイを書いたりすることも多々あるのですが、これは「使うための練習」なんですよね。日本の中でやってる「練習のための練習」よりは遥かに実践的ですけどね。
ネイティブの人や先生に、「どうやったら英語もっとちゃんと使えるようになるか?」とよく聞くこともあると思いますが、10人に聞いたら10人とも「Just practice, practice, and practice」と言うだけでした。
本当の意味で「本番=“使う”」とは?
当たり前ですけどこれは単純に「コミュニケーション」をすることだと思います。外国人でも日本人でも誰でも良くて、英語を使って自分の言いたいこと・聞きたいことを相手に伝えられるかどうかなんです。だから語学学校内の友達と喋ったりチャットしてるだけでも「英語を使う」ということになるんです。
そういう意味で語学学校は非常に閉じた世界です。ネイティブは先生しかいないし、そもそも授業内はほとんど英語を「使う」機会が無い。僕は学校の中で完結してしまうことを本当に恐れているので、なるべく外の世界に出るようにしています。じゃないと意味ないですしね。なのでサンフランシスコを選んだというのもあります。語学学校内だけで完結させるのであればフィリピンの方がオススメです。
「使う」ことを意識すると英語学習の質も変わってくる。
先にも書いたように、ネイティブとの会話は何か違和感を感じるようになりました。スラングのせいもあると思うんですけど。「自然体で自然な英語コミュニケーションができるようになるために何をしたら良いか」という所から逆算して勉強するのと、「TOEICのために勉強する」のでは全然意識が変わって来るんですよね。
「TOEICで800点取るための英語」と「ネイティブスピーカーとちゃんとコミュニケーション取る英語」は根本的に質が違うのをサンフランシスコに来て痛感しています。
また「中級者同士の会話」 と「ネイティブスピーカーとの会話」も根本的に質が違うのを感じています。
じゃあ「どこで」英語を「使う」のか?海外で英語環境を探して見つけた"Language Exchange"
ということでようやくここで本題になるんですけど、 こっちに来て"Language Exchange"というものに出会いました。その名の通り、「言語を交換し合う」という意味で、母国語を教えながら、知りたい言語を教わる、というミートアップがこっちにはたくさんありました。
Language Exchangeについては下記サイトでまとまってるので詳細は割愛しますが、
言語交換(ランゲージエクスチェンジ)の方法 - NAVER まとめ
・ネイティブの人と会うことができる。
・スラングとか自然と覚えられる。
・同じ目的(英語を学びたいとか)の人にも会うことができる。
・そっからのつながりでまた友達ができる。
こんな個人的メリットだけじゃなく、副次的効果として
・酒場やカフェの集客につながる
・地元民との交流
などの地域活性化につながる可能性があるんじゃないかと。
こっちにコネが全くなかったところから、いろいろな友達ができたのはこのミートアップがたくさんあったおかげでした。僕がよく行くミートアップはクローズドな感じではなくいつも6割くらいの人が流動的で、新しい人たちが来るところです。
とてもきっちりとファシリテートしてくれるオーガナイザーがいるミートアップもあれば、ネームタグを用意するだけの緩いものもあります。個人的には、ビアバーでスタンディング形式でカジュアルに行われるミートアップが好きです。
このLanguage Exchangeミートアップでは、「使う」→「学習・勉強」→「使う」という英語学習の本来あるべき流れがあるんじゃないかと。いろいろ整理している中で一つの結論に至りました。
一方、日本での英語は勉強の環境しか整っていない。使う場所が全然ない。
これはそこまで調査していないので個人的な所感になってしまうのですが、そもそも日本には英語を使う場所がなさ過ぎると感じています。なぜなら使う必要がないから。でも多くの日本人が「英語を使えない」ことに対してコンプレックスを持っていると考えています。仮説ですけど。
一方で楽天はすでに社内公用語が英語になり、「必要に迫られて英語を始めなきゃいけない環境」となっています。一個の基準としてTOEIC目標が課されているらしいですが、ミーティングやプレゼンなど「使える英語」をマスターしなければならないのでTOEICだけで補えない英語があることを痛感していることかと思います。でも毎日「使う」ことになるので上達は語学学校以上の速さがあると思っています。
グローバル化、グローバル化、と言われている中で、義務教育で最低でも6年も勉強だけし続けて、「使う場」が全く提供されていない日本はなんか矛盾してるな、と思うようになりました。
そもそも「勉強し続ける」って言うこと自体が苦痛で。ストイックに暗記だけし続ける。これって全然楽しくない。でも不思議と「使うこと」、つまりコミュニケーションは楽しいんですよね。面白い人と一緒にいられるかどうか次第ですが。笑
だからいかに「勉強し続けるか」ではなくていかに「使い続けるか」という視点で考えるのが重要なんだろうなと考えるようになりました。
一番はこっちで英語で仕事をすることなんですが、ビザの関係や英語レベルの問題でなかなか簡単ではない。最も簡単に始められたのがこのLanguage Exchangeでした。そして簡単だからこそ、カジュアルだったからこそ、毎週行くのが楽しいんです。「使い続けられる」んです。
実は今、日本には200万人もの外国人がいる。しかも190カ国近くの国から。
http://www.moj.go.jp/content/000108880.pdf
半分は中国・韓国からのようですが、それでもアメリカ・イギリス・オーストラリアからも8万人超の人が中長期滞在しています。
?
中長期滞在?
そう、中長期滞在者だけでこんなにいるんです。
では短期滞在ではどのくらいいるのでしょうか?
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/141217_monthly.pdf
なんと年間1,300万人!北米からの流入だけで100万人を超えるそうです。
考えてみたら、鎌倉のゲストハウスを転々とした時には必ずそこに外国人がいたし、英語でコミュニケーション取っていました。日本の中に外国が確かにあったんです。世界が広がった瞬間でした。Language Exchangeしてたんです。
そんなことを思い出してmeetup.com内をよくよく検索してみたらいくつか東京でもLanguage Exchangeイベントがあったんです。知らなかったなぁ。でも本当に東京にしかなかったですね。
合わせて1,500万人以上。世界を見たらもっと広がる可能性を秘めているLanguage Exchange。
日本語と英語だけで見ると世界も狭まりそうですが、スペイン語、フランス語といったメジャー言語だけじゃなくお隣さんの韓国語とか今人気の東南アジアの言語とか。いっぱい可能性があるんです。
「言語」という万人向けのコンテンツ。
他言語を話すためのきっかけづくり、動機付けは日本人に対してもう少し工夫が必要かもしれません。でももっとこのダイバーシティを活用する方法はあるはず。
簡単に言ってしまうと、
Meetup.com × Lang8
なのかもしれない。そう考えるとわかりやすくなってきたか・・・?
もう少し考えを整理して、この線でプロトタイプを作ってみるのは非常に価値があるんじゃないだろうか。エンジニア探さなきゃだけど。汗
どうやらこの休みも有効活用できそうです。